島根原発の過酷事故発生時の広域避難対策に関する投書(4件)

2021-02-20

山陰中央新報のごだま欄に最近掲載された投書4件をここに引用してご紹介します。
全て島根原発の過酷事故発生時の広域避難対策に関する投書です。
①2020.12.8付(松江市民より)
 「原発事故の広域避難に疑問」
②2020.12.25付(出雲市民より)
 「原発避難で解決すべき課題」
 ※①12/8投書「原発事故の広域避難に疑問」を読まれた人がそれを引き合いに投書されたもの。
③2021.2.8付(島根県より)
 「避難対策の実効性向上図る」
 ※前記の昨年12/8掲載の投書①と12/25掲載の投書②の2つに対して、遅ればせながら投書の形で島根県原子力安全対策課長から回答が来たもの。
④2021.2.19付(松江市民より)
 
 ※前記の③島根県からの回答に対して、さらなる疑問があり、投稿し掲載されたものです。この疑問についても速やかに回答があることを期待します。

【解説】

◯③島根県回答にある、実効性の向上に取り組んでいるところ、体制を整備しているところ、整備を着実に進めていく、確保に努めているところ、などの努力は当たり前のことです。ですが、これは道半ばと言ってるわけで、稼働させるならそれまでに必要な避難対策整備の具体的到達点と工程があってしかるべきです。
小中生のお勉強なら成績結果はともかく「努力しています」を大きく評価できるでしょうが、原発避難対策のことは小中生のお勉強とはレベルが違います、整備するレベル・内容とその実施結果が問われます。

◯このような避難対策の整備は、原発が必要と思う人にも不要だと思う人にも共通の話です。また、原発が稼働していない今でも、原子炉格納容器と異なり核燃料プールという無防備な建屋に使用済み核燃料が保管されている以上「待ったなし??」の問題です。

〇地元同意不同意を考えるには、原子力規制委員会の規制基準審査にあるような原発自体の安全性の問題はもとより、中国電力管区内の電力需給の必要性の問題、核のゴミの処分の問題、発電コストなどの問題も考えるべき大きな問題ですが、ここで地元にとってさらに大きな問題は過酷事故を想定した広域避難対策の問題です。

〇放射性物質拡散時の避難の問題
避難当日の風向きのことで、行政からは事故から避難までに時間的余裕があり、当日の風向きを考えて避難先を指示すると聞いていますが、このことが具体的に広域避難計画に組み込んでないし、この可能性が広報も訓練もされていません。(固定的避難先が急きょ変更になる場合の避難受け入れ先の問題はどうなっているのでしょう)

〇避難までの時間的余裕の問題
事故から避難までに時間的余裕があると広報されていますが、過酷事故発生から放射性物質放出までの時間が極短い場合のことが広域避難計画に組み込んでないし、広報も訓練もされていません。

〇バス協会との協定の問題
協定は「平時の一般公衆の被ばく線量限度である1ミリシーベルトを下回る場合に」となっていて、放射性物質が放出後はバスは来てくれません。また昨今のコロナ禍では必要なバス台数や要員は大幅に増えますが、どうするのだろうか?

〇島根県・松江市の整備対応の見える化の問題
これらの例はごく一部の問題で、実際には多種多様なハード面・ソフト面での問題が山積しています。島根県・松江市は再稼働に足る避難対策達成の水準と整備工程を具体的に明確化し速やかに広報すべきです。それが県民含めて地元同意不同意を議論する出発点と考えます。

〇このような観点について、島根県・松江市はこれまで、「避難計画の実効性を向上させるようにいろいろな対応をしている、努力している」と言うのみです。この避難問題については、絵に描いた「計画」だけでなく、十分なレベルの対策整備完了が必要です。小中学生じゃあるまいし、「努力していること」のみでもって「良し(再稼働可)」とは決してできるものではありません。

◯皆さんも素朴な疑問を投稿してみられませんか、是非!。松江市庁舎建て替え問題のときと同じように原発問題コーナーが出来るといいですね。

◯少し前の昨年10/29付の山陰中央新報記事
「丸山知事 避難対策が重要ポイ ント~島根2号機再稼動で言及~」
があります。
この中で、丸山知事は「避難対策が重要ポイント」「稼働の有無に関係なく取り組まないといけない課題だ」「避難を円滑に出来る準備ができているかどうかは(再稼働判断の)重要なポイントの一つだ」と(避難計画という言葉でなく)避難対策を重要視していて私の思いとも合致します。ところが今回の島根県(原子力安全対策課長)の回答の意気込みトーンは知事よりかなりトーンダウンしていて、いったいどうなっているのでしょうね。

以上